総天然色レトロトラベル本「昭和30年代 モダン観光旅行」では、昭和30年代の膨大な絵はがき、旅行パンフレットで当時の旅行、レジャーを紹介しています。
彩色観光絵はがきのレトロ感
昭和30年代はカラー写真が高価だったためか、昭和の観光用絵はがきはモノクロ写真のに彩色を施した彩色写真が主流でした。
しかし、このカラフルで独特な色あいがレトロな雰囲気と、時代のパワーを感じさせてくれます。写真だけでなく、絵はがきに添えられたフォントも力強くて(しかも色は赤)今ではありえないデザインが、逆に新鮮に感じられます。
昭和レトロの赤タイポについてはこちらのページにまとめてあります。
レトロな乗り物
観光地だけでなく、当時の交通機関も紹介されています。昭和の乗り物は電車もバス、ロープウェイやケーブルカー、どれも独特の丸みがあって、それがとても可愛いらしい。
ケーブルカー・ロープウェイ
高尾山のケーブルカー。ケーブルカーやロープウェイは、乗り場や車両が古いデザインのまま残っていることが多く、それが昭和30年代の雰囲気を感じさせてくれます。
エアライン
当時、飛行機は高価でセレブ専用の乗り物でした。そのため、今では考えられないようなゴージャスなVIPルームもありました。
ノースウエストの「富士山ルーム」にはなんと畳が敷かれ、外国人VIPは靴のままでくつろいでいる写真が掲載されています。
この本では、昔のエアラインのポスターやチラシ、航空券などが紹介されています。ノースウエストの「富士山ルーム」など、レトロな空旅の様子がわかる一冊です。
昭和30年代は大観光時代
昭和30年代、庶民の間にも旅行やレジャーが浸透しはじめた時代でした。
人々は海水浴や遊園地、スキーや新婚旅行など、さまざまな観光地にでかけました。
高原ではハイキングや山登りも盛んでした。まるで、サザエさんのエンディングのような小さな小屋や樽型のバンガローが紹介されています。
昭和時代、観光用の絵はがきに映る女性たちのファッションもレトロでおしゃれです。色鮮やかな着物の女性や、ロングスカート、真知子巻きなど、当時のファッションを身にまとった女性たち。きっとめったにない旅行のためにおしゃれをして行ったのでしょうね。
しかし、当時の女性は足場の悪い場所でも草履やハイヒールで歩いています。ほんとすごいわ…。
観光地の広告看板
また、観光地のベンチには必ず広告の看板が設置いました。そうした様子が絵はがきにも残っています。
だいぶ少なくなりましたが、今でもたまに観光地で見かけます。こちらは永平寺の近くでみかけた「カメヤマローソク」のベンチ看板。
ノスタルジック・ホテル物語
「ノスタルジック・ホテル物語」は「宿泊」にスポットを当てたレトロ観光本です。こちらも合わせて読むと、観光とホテルの歴史がわかりやすいです。