ノスタルジック・ホテル物語

読書感想

ノスタルジック・ホテル物語」では、明治・大正・昭和にかけて発展してきた数多くのホテルが紹介されています。 以前に老舗クラシックホテルとして名高い、奈良ホテルに泊まる機会がありました。和洋折衷でレトロな雰囲気のホテルは、昔のセレブの豪華な旅を想像させてくれます。

日本のホテルの歴史

『ノスタルジック・ホテル物語』によると、日本のホテルの歴史は、幕末に日本を訪れる外国人の宿泊所として作られ、明治期は外国人の賓客を迎え、その後避暑を楽しむリゾートホテルがつくられました。
今でも当時の面影が残るのは箱根の富士屋ホテル、日光金谷ホテルなど。

その後、スキーやゴルフ、温泉といったレジャーの形態に合わせたホテルや都市型ホテル、ビジネスホテルなども登場します。掲載された絵はがきや写真をみると、建物はモダンでおしゃれ。

岡本かの子「東海道五十三次」にも、主人公の学者夫妻が名古屋で都市ホテルに泊まる描写がでてきます。昭和初期には一般の人々の間でもホテルに泊まるのが普通になっていたのかもしれません。

「外地」のホテル

また、特筆すべきは台湾・朝鮮・上海・満州のホテル。
戦前まで日本人が数多く住んでいた大陸には、日本人経営のおしゃれなホテルがたくさんあったのです。大連、長春、ハルピンなどにあった有名なホテルチェーン、ヤマトホテルは、満州の観光の拠点となっていたのだそうです。

当時の日本人は新天地にあこがれて、ビジネスや観光、あるいは定住のために彼の地ホテルを訪れていたのでしょうね。

戦争や征服はひどい歴史ではありますが、パンフレットや絵はがきに残る、幻となってしまった土地のホテルには強烈なノスタルジックと憧れを感じてしまうのです。

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