昭和家電はカタログも面白い

読書感想文

『続・懐かしくて新しい昭和レトロ家電 増田コレクションカタログ編』

昭和家電・カタログイメージ
昭和家電・カタログイメージ

昭和家電はカタログもユニーク!

前回紹介した『増田さんちの昭和レトロ家電』は、今見るとトンデモな昭和のアイデア家電をご紹介しましたが、今回はカタログ編のご紹介です。

昭和家電のもうひとつの魅力・カタログ

現代のグラフィックデザインは「イメージ」を売るため、印象的な写真やキャッチコピーを用います。けれども、昭和レトロ家電のチラシやパンフレット・ポスターはとにかくインパクト重視。

型抜きチラシや、現代ではありえない目立つ赤色タイポ、かわいいイラストがこれでもかと入れ込まれていて情報満載。

チラシからも当時の家電にかける熱量が伝わってきます。

ユニークなキャッチコピー

JARO設立以前の昭和20~30年代では、広告のうたい文句もある意味「やりたい放題」です。そのため、今では絶対できないトンデモなキャッチコピーを見るのも楽しいのです。

  1. 市場がすっぽりはいります
  2. 芸術と娯楽の大殿堂にご招待!
  3. 宇宙時代にふさわしいジェットスタイル

これらのキャッチコピー、どんな家電だと思いますか?

答えは1.冷蔵庫、2.テレビ、3.扇風機です。

3の扇風機は当時スプートニク打ち上げで米ソの宇宙開発合戦が始まった頃なので、こんなコピーがついたんだとか。

制約を逆手にとったモダンなデザイン

昭和のチラシやカタログは現代に比べて制約が多いものなんです。高解像度の写真をバーンと載せるような、印刷技術はな、使える色数も限られていたはず。

モノクロ写真に紫や青のインクで色をつけ、カラフルにみせようと工夫しています。それが、今見るととてもモダンでかっこよく映るのです。

現在のカタログと昭和のカタログ、見比べてどちらが印象に残るかと言われれば、私はやはり「昭和」を選びます。

昭和家電は、カプセルトイとして販売されています。ミニカタログつき!

そしてトンデモ家電の数々

そして、この本では昭和のトンデモ家電をカタログでご紹介。

「ボース・ホーン」…ダイアルがふたつ、受話器がひとつの電話機

「マミー」…たらいに直接挿入して撹拌するタイプのミニ洗濯機。(感電しそう…)

ちょっと何言ってるかわからないと思いますが、私も何を言ってるのかわかりません…。

このように、カオスな昭和家電の数々。そんな試行錯誤の家電のカンブリア紀が、現代の家電の発展につながっているんですね。