中原淳一の料理番『エプロンおじさん: 日本初の男性料理研究家・牧野哲大の味』 

読書感想文

中原淳一の料理番ともいえる牧野哲大さん。「エプロンおじさん」と呼ばれ、男性ではじめて料理研究家となった牧野哲大さんの「エプロンおじさん: 日本初の男性料理研究家・牧野哲大の味」。

料理で中原淳一の美を支え、雑誌『それいゆ』などの料理を担当しました。

人生の師である中原淳一さんとの思い出。そして、料理研究家としての歴史をかわいい写真とレシピで綴った一冊。この本の魅力はそのまま、牧野さんという方の魅力につきます。

牧野さんは、少女の心を持った、いつまでも少年のような男性なんですね。母親がの雑誌に載っていた中原淳一のイラストに興味をもちます。

やがて、かわいいものや美しい世界をつくる中原淳一に憧れて東京へ。

中原淳一雑誌の料理担当として

やがて「ジュニアそれいゆ」などの料理コーナーを任されるようになると、栄養面の配慮やテーブルセッティングなど、料理にまつわる全般を美しく演出していきます。

それは、フードスタイリストやテーブルコーディネーターなどいなかった時代、画期的なことでした。

男が料理やおしゃれをすることに今以上に抵抗があった昭和時代。自分の好きなスタイルで生きるのは大変なことでした。

けれど牧野さんは師の中原淳一さんと同じく、いつもおしゃれなエプロンで自分の志をつらぬいていったのです。

また、本の中には中原淳一の雑誌付録や、食器や雑貨のコレクションが掲載されています。

牧野さんの料理は、レシピだけじゃなく、生活全般を美しく整えているんですね。

昭和レトロレシピ集『中原淳一の幸せな食卓』