「絵はがき」というと、こうした名所旧跡を写した観光絵はがきをイメージする方も多いでしょう。
しかし、明治から昭和初期の絵はがきは、当時の人物や出来事を紹介した、SNSのような情報媒体でもあったのです。

昔の絵はがきは単なる観光みやげだけではなく、情報としての役割もありました。そのため、現代のわたしたちが見ると「なぜ、これを…?」と思うモノが絵はがきとして残っています。
昔と今の絵はがきの違い
現代の絵はがきは、観光名所や美しい写真などが印刷されていてます。これらの絵はがきは人に送ったり、インテリアとして楽しむのが目的です。
しかし、昔の絵はがきには今では考えられないようなモチーフが使われています。面白かったものをあげると、
- 桜島大根(こどもを写しこんで大きさを比較)
- レントゲン撮影風景と骨の写ったX線写真
- 自動車学校
- 裁判所
- 真珠湾攻撃の様子
など。昔の絵はがきは当時の産業や事件を紹介する役割もあったそうですが、骨のレントゲン写真を送られた人はどう思ったんでしょうか…。
ちょっと変わったブロマイド
ブロマイドといえば、人気アイドルや俳優さんなどの写真が人気です。
しかし、昔の絵はがきは人気歌手や俳優以外に、変わった人物が印刷されていました。
伊藤博文や大隈重信などの政治家から、清水次郎長(実在の人物なんですよ)、なんとラストエンペラー愛新覚羅溥儀まで…。
昔はこうした偉人ブロマイドも需要があったようです。まあ、ブロマイドという言葉自体も古いですけどね…。
まぼろしの都市絵はがき
この本には、昔の都市の様子が絵はがきで残されています。札幌の時計台や旧市庁舎など、今も残る建物の絵はがきがある一方、広島の産業奨励館、今は原爆ドームと呼ばれる建物の以前の姿が映し出されています。
あたりまえだけど、原爆ドームは最初から原爆ドームではなかったのですね。
そうした都市の中で、いまでは幻となったのが日本占領時代の満州です。大連の荘厳な町並み、哈爾浜(ハルビン)のロシア人キャバレーなど、レトロでノスタルジックな雰囲気がたまりません。
→絵はがきで振り返るレトロな旅本『ノスタルジック・ホテル物語』
宮武外骨の絵葉書コレクション
明治から大正にかけて活躍したジャーナリスト宮武外骨。皮肉の効いたユニークな雑誌「滑稽新聞」や「スコブル」を発行し、過激な記事でしょっちゅう発禁や逮捕されていた豪快な人物です。
そんな宮武外骨は、かなりの絵はがきコレクターで、それを独自のセンスで分類・表示しています。
これもまた外骨らしい皮肉が効いていて、だだの絵はがきがアートのような意味を感じます。こちらもおすすめです。