熱海には昭和レトロがあふれています。以前紹介したレトロ喫茶店のほか、旅館やホテルとなどの建物のほか、看板やインテリアにも昭和の名残が感じられるのです。
街を歩くと、味わいのあるビルが多い熱海。令和のビルとは一味違うそのデザインをお楽しみ下さい。
昭和レトロホテルの宝庫・熱海
昭和のレトロビルの特徴として、大胆にデコレーションされた外観があります。特に人を集める必要があるホテルや旅館は装飾がハデになっていったのでしょうね。
特徴的なデザインの建物が多いのも熱海の魅力です。
ホテルニューアカオ
昭和レトロ感満載のホテルニューアカオ。目立つ赤いロゴにカーブのついた宴会場の窓。残念ながら泊まったことはありませんが、公式ホームページをみるとインテリアも豪華でレトロ。
高度経済成長期の勢いを感じます。
昭和レトロホテルの特徴
三浦展さんの『ヤバいビル』によると、昔の派手なビルは「人を呼ぶために派手で明るく、目立つようにデザインされた」のだそう。
ホテルや旅館の多い熱海は、他との差別化をはかるために豪華に個性的に建物をデコレーションしていったのでしょうね。
そして、高度経済成長期のビルの特徴として屋根部分が赤くベランダや窓に装飾が施されていることが多いようです。
戦後のレトロビル
こちらはおそらく、昭和20年代後半~30年代に作られた低層ビル。昭和30年代に普及したスチール製の窓枠や壁の装飾、電球で飾られたネオンがレトロですてき。
熱海観光の全盛期だった昭和時代は、モダンな外装とネオンで観光客を集めていたのでしょうね。
前述の低層ビルのコーナー部分。うまく曲線がだせず、カクカクしているのも今となっては興味深いです。できるだけきれいに仕上げようとする工夫が感じられます。
こちらは熱海銀座近くの低層ビル。スチールサッシなので建築年数は相当なものでしょう。ビル同士、くっつき合ってひしめいています。こんなレトロビルが熱海にはたくさんあり、散策がとても楽しいのです。
こちらは、一見旅館風にみえますが、実はマンションなのだそうです。しかし、現在はほとんど入居者がいないようですね…。一見、廃墟かと思ってしまいました。
そして廃墟
熱海には今も現役で活躍するレトロビルも多いのですが、一方で廃業になる旅館やホテルは建物が壊されたり、廃墟となっていたりと、観光の負の遺産もちらほら見かけます。
まとめ-なぜ、熱海は昭和レトロなのか
昭和30年代、日本は空前の旅行ブームでした。高度経済成長を迎えて旅をする余裕もできたからでしょう。中でも熱海は東京から近く便利な行楽地として人気でした。
当時、団体旅行をメインに大型のホテルや旅館が多く建設されましたが、バブル崩壊後は観光客は減少。そのため、新築もリノベーションもできない古い建物がそのまま残っているようです。
逆に現在の熱海は街全体で昭和レトロの雰囲気が感じられるため、昭和レトロ好きから人気を集めています。
昭和30年代モダン観光旅行
昭和30年代の観光について書かれた『昭和30年代モダン観光旅行』では、日本の観光が賑わっていた様子が当時の絵はがきやパンフレットから感じられます。