レトロ看板「デンパツ」と「コールドパーマ」

レトロ

「デンバツ」「コールドパーマ」など、レトロ看板には今では意味不明の用語が描かれています。

旅先の金沢で見かけた美容室のレトロな看板なのですが、これ、店名ではありません。「コールドパーマ」と描かれています。お店の名前は脇にちいさく「さくらい美容室」とあります。じゃあ店の一番目立つ正面で何を宣伝してているかというと…

「コールドパーマ」とは、熱をかけてパーマをかける「ホットパーマ」に対して、髪に熱を加えずに薬剤だけでパーマをかける技術のことだそうです。

店の名前より「技術」を売りにしているレトロ看板

お店でいちばん目立つ正面(ファザード)看板に店の名前をだすことで、前を通るお客さんに覚えてもらう効果があります。しかし、このお店は大事な店の名前を小さくしても「コールドパーマ」を売りにしたかったようです。

レトロ看板・コールドパーマ
コールドパーマ(金沢市)

パーマの歴史と看板の製作時期

もうひとつ、名前よりも技術が大きく描かれた看板がありました。レトロの宝庫・奈良県今井町です。

デンバツコールドパーマ・レトロ看板
デンパツ・コールドパーマ看板(奈良県橿原市)

こちらの木製看板では、大きく書かれているのは「パーマ」です。そのほかは「コールド」「デンパツ」です。「デンパツ」はおそらく「電髪」で、カーラーを巻いて温めるホットパーマのこと。

「最新式ヘヤースタイル、コールドパーマも、ホットパーマもできますよ」ということを言いたかったのでしょう。

今のように広告も少なく、ましてやネットもなかった時代です。看板に店の名前よりも「売り」である技術を書いたほうが伝わったのかもしれません。

レトロ看板

レトロ看板

懐かしくてユニークな、古い木製看板、アクリル看板の写真をあつめました。