『パンダコパンダ』は、2本立てのアニメで、1972年に宮崎駿監督が製作しました。主人公のミミちゃんが動物園から逃げ出したパンダ親子と楽しく暮らす物語です。
そして、物語の舞台となるのが「北秋津」というところでした。なんでも、このあたりは宮崎監督のゆかりがある土地らしく、近くには宮崎監督が保護活動を行った「淵の森緑地」もあります。
「秋津」という地名は東京都東村山市ですが、実際の「北秋津」は所沢市です。(実際に所沢駅から歩くと15分ほどで着きました。
また、『パンダコパンダ』では、北秋津緑の多い田園風景ですが、実際には畑よりも茶畑(狭山茶)の方が多い街でした。
昭和レトロの雑貨屋とホーロー看板
私がふらふらと小道を選んで歩くと、こんなお店を発見しました。「有限会社ミセ本店」。
看板を見ると「スーパーニッカ・清酒大関・伏見清酒・仙界・郵便切手・国分の缶詰(K&K)」など、様々な商品を扱っていたようです。
二階の窓のデザインも昭和レトロでおしゃれ。
そして、面白いのが看板の店名「ミセ」と「本店」の脇に小さく「ノ」という字が…。「ミセノ」なのか、「ミセ」「の」「本店」なのか…?
昔は、こうしたなんでも売っている日用雑貨のお店が、街にひとつはあったものです。
塩と住所のホーロー看板
そして、店の脇に回るとホーロー看板が!今ではこうして現役で貼られているホーロー看板を見るのは珍しくなりました。
「塩」のホーロー看板は、このお店が塩の販売を許されていた証拠です。
昔の塩は専売制で、日本専売公社に認められた店でしか売ることができませんでした。
昔は、こういった住所表記と一体化したホーロー看板をよくみかけました。(寄贈)とあるので、広告を出した時計店が設置したのかもしれません。
梅善時計店は現在も場所を変えて、マンションの一角で営業しているようです。
火の見櫓と個人商店
「火の見櫓」は、若い人にはなじみのない物かもしれませんね。火事などの緊急連絡と確認用に建てられた塔です。
昭和時代は火事になると、消防団から火事の発生場所や避難指示が放送されたり、半鐘が鳴らされたりしました。
最近は消防団自体が少なくなっていますので、火の見櫓をみかけることも少なくなりました。
ブリヂストン自転車販売店。店の前面のアクリル看板と、上の「BS」のロゴがかっこいいお店です。脇のレンガと、壁のオレンジ色もいい雰囲気ですね。
まとめ
以前、所沢の急激な発展と昭和レトロについて書きましたが、まだまだ所沢には昔懐かしい風景がところどころに見つけられます。
そして、北秋津周辺は緑や畑も多く、まるで『パンダコパンダ』のミミちゃんやパンダ親子が駆け回っていそうな風景でした。
西武園ゆうえんちのエンタメとしての昭和レトロもいいですが、実際の街のレトロを散策すると、思いがけないものを発見できますね。