大正時代はノルタルジックな「大正ロマン」文化が花開きました。
「大正ロマン手帖 ノスタルジック&モダンの世界」では、そんな大正女性のファッションやライフスタイル、美しい抒情画や雑誌、化粧品に至るまで、当時の和モダンなデザインを紹介しています。
モダンでノスタルジックな大正時代ファッション
大正ファッションの主流は着物ですが、着物の世界でも和洋折衷が盛んでした。柄に西洋の花をデザインしたり、パラソルやショール、帽子など、洋風の和装小物を身に着けたりしています。
洋風小物を着物にあわせるスタイルは、現代の私たちがみてもおしゃれです。ノスタルジックな大正ロマンの着こなしは、今でも着物好きやコスプレファンに人気があります。
大正の洋服も斬新でかわいい。帽子にゆったりとしたドレスや活動的なワンピース、女学生のセーラー服など、洋装もモダンです。
大正時代の流行色
流行色は現代ファッションだけかと思っていたら、大正時代にも流行色がありました。
大正元年の流行色は明治天皇の喪のため黒や灰色でしたが、大正4年頃からピンクや紫、黄色などが流行します。
華やかな色が流行した背景には染色技術の向上がありました。当時、銘仙など鮮やかなデザインの生地が安価で手に入りやすくなったのです。
工業生産の活発になったので、着物のファストファッション化が始まったのでしょうね。
今でも現役。装飾が美しい、レトロな化粧品
美しいラベルが貼られた大正の化粧品。そのデザインは優雅でノスタルジックな雰囲気です。大正時代の化粧品はビンが主流で、その容器もまたおしゃれ。
私が大正時代の女性なら、使用後のビンやラベルは取っておくでしょう。それだけ当時の化粧品デザインはかわいいのです。
ヘチマコロン、資生堂七色粉白粉など、今でも販売されているロングセラー商品もありました。
文化住宅に住んで、百貨店でお買い物
大正時代は呉服屋から近代建築のデパートに変化していった時代です。大きな百貨店では、最先端のエスカレーターやエレベーターが設置されていました。
また、郊外には洋室と和室、和洋折衷の文化住宅が建ちはじめました。それらは当時開業した私鉄(阪急や東急など)で都市部と結ばれていました。
生活に余裕のある人たちは郊外に住み、休日は百貨店へ。当時の百貨店では、イベントや娯楽設備が充実していました。だから、当時の百貨店は買い物というより娯楽施設のような感覚だったのでしょう。
『百貨店ワルツ』マツオヒロミ
マツオヒロミさんの『百貨店ワルツ』は、大正から昭和初期の架空のデパートをモチーフにしたイラストと漫画集。
この本ではモダンな着物姿の少女たちや、美しいパッケージのコスメが紹介されています。