『百貨店ワルツ』マツオヒロミ

読書感想文

昭和初期、架空の百貨店「三紅百貨店」をモチーフにしたマツオヒロミさんの『百貨店ワルツ』がほんとにもう、ため息が出るほど美しい。

美しいキモノ、美しい少女たち

昭和初期、架空の百貨店「三紅百貨店」をモチーフにしたマツオヒロミさんの『百貨店ワルツ』。色鮮やかな着物やワンピース、防止に身を包んだ美しい少女たちのイラストが本当にすてきで、ずっと眺めていても飽きません。

『百貨店ワルツ』の時代

東京や大阪には、今も戦前から続く美しい百貨店の建物が残っています。美しく装飾された柱や階段、吹き抜けのホール、化石の入った豪華な大理石の柱…訪れると昭和初期の古き良き時代を感じられます。

そんなレトロ百貨店の雰囲気を活かし、マツオヒロミさん独自の美しいロマンチックなイラストに仕上げられた『百貨店ワルツ』。

マンガでは呉服展示会の様子が描かれ、秋の新作呉服に胸ときめかせる若奥様と女性店員が登場します。

昭和初期は、ひんぱんに着物をあつらえることができるのは一部のお金持ちだけ。庶民は帯揚げや半襟など、小物を工夫して着回しをアレンジします。しかし小物とあなどるなかれ。ここできちんといいものを揃えると、着物の印象はずいぶん変わるのです。

物語の中でも、女性店員は自分のお給料で買える新しい半襟を楽しみにしています。

百貨店そのものをデザイン

『百貨店ワルツ』の魅力のひとつが、架空の百貨店のポスターを飾る少女たち。大胆でモダンなデザインの着物、少女の美しい足から垣間見える襦袢のレース、和洋取り混ぜたデザインがロマンティックで、時にエロスも感じさせます。

また、『百貨店ワルツ』のすごいところは、百貨店に関わるすべてをマツオヒロミさんがデザインされているところ。包装紙、店員の制服、各階のフロア案内図、エレベーター、商品のパッケージにいたるまで、まるでほんとうに「三紅百貨店」が本当に存在していたのでは、と錯覚させられます。

 参考資料『昭和ノスタルジック百貨店』

百貨店のノベルティという設定のカレンダー

マツオヒロミさんが毎年発行しているカレンダー。2017年は三紅百貨店がお得意客に配布したカレンダーという設定で三紅ポストカードつき。これはカレンダーとして使えなくてもほしい…!

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マツオヒロミさんのレトロモダンなイラストと谷崎潤一郎の名作がコラボレーションした乙女の本棚『秘密』。

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