マツオヒロミさんのカレンダーはずっと持っていたい
『百貨店ワルツ』『乙女の本棚 秘密』に続き、またしてもマツオヒロミさんの作品をご紹介。とにかく彼女の描くレトロモダンな世界とデザイン、清純さとエロティックさをあわせ持つ少女たちに心奪われております。
そんなマツオヒロミさんは毎年カレンダーを発売しているのですが、美しいイラストだけでなく、グラフィックデザインもすばらしいんです。
カレンダーの日付が終わったあとも、眺めたり飾ったりして、ずっと使い続けたいほど。
美しいものを詰めたい、ロマンティックな宝箱
今回、私が購入したマツオヒロミカレンダー2020卓上版はなんと缶入り。缶の方にもキュートな少女のイラストと、細部まで描きこまれた装飾がプリントされています。これはもう、乙女の宝箱ですよ…!いや、乙女の時間はとっくにすぎたけれども。
小さい頃、お菓子の缶に宝物をいれていた少女時代を思い出して、缶を開けるたびにワクワクします。
日付が過ぎても、とっておいて眺めるたいイラスト集。美しい缶は、たいせつなものをいれる宝箱としても使いたい。
カレンダーの「ふろく」には、マツオヒロミさんがデザインされた、美しい架空の化粧品パッケージつき。こちらも飾ったり、缶に入れてときどき眺めています。私の宝物です。ながめているだけで幸せな気持ちになれます。
大正~昭和にかけて『少女の友』という伝説の雑誌がありました。中原淳一など叙情画や小説のほか、ポストカードなどの付録も充実していました。読者のコメントによると、戦時中、かわいいものや美しいものを禁止された少女たちは、こっそり雑誌やふろくを隠したり、田舎に疎開させて守ったそうです。
そんなかつての「少女の友」読者のように、マツオヒロミさんの缶入りカレンダーも、大切にしまって時々ながめたい、そんな乙女(と、元乙女)の「かわいいもの好き」を刺激する逸品なのです。