土産物といやげ物、似ているようでぜんぜん違うシロモノです。いわゆる。もらって困る土産物が「いやげ物」です。
私は旅で見つけたヘンテコなお土産は、面白がって写真に撮るのがせいぜいなのですが、みうらじゅん氏は違います。「誰がこんなもん買うわけ?」と思うようなお土産を、あえてコレクションされています。
いやげ物とは
そんな、もらったら嬉しくない土産物の「いやげ物」。
黒字の布に極彩色のペイントがほどこされた掛け軸ならぬ「ヘンジク」や、地元の名物や格言がプリントされたフタつき湯呑「ユノミン」、海辺でよく見る貝殻細工のキャラクター(プリ貝)など、どれも「買いたくないし、もらいたくない!」と思うものばかり。
そして海辺の観光地で売られる貝は、絶対そこでは採れないタイプが多く、果たして土産と言えるのか…。こちらは江ノ島のお土産屋にあるほら貝です。
その他にも、レトロな潜水具(ヘルメット)が売られていますが、一体誰が買うのでしょうか…?

実家のおばあちゃん部屋には、金メッキの東京タワーの置物がありました。地方都市で育った私はその置物に東京へのあこがれを抱いたものでした。
いまでは素材は重い合金(昭和の雑貨はとにかく重い)プラスチックに変わりましたが、部屋で異彩を放つオーラはパワーアップしています。
いやげ物とレトロ土産
こうした「いやげ物」の共通点として、レトロ…というか、時が止まったかのようなデザインなんです。
本の中にも80年代~90年代に人気のあったコント山口君と竹田君(芸人)や、中華の周富徳、仮面ノリダーなどのキャラクターグッズが紹介されています。
しかも驚くことにこの時代遅れのキャラグッズは、今でも観光地で売られているらしいのです。
今も作られているのか、それともデッドストックなのか…こうしたレトロ土産の「いやげ物」は、昔ながらの観光地で時々お目にかかるのですが、見かけるとなんだかホッとします。(だからといって買うわけではないですが)
私が見つけたレトロ土産
「YTVでおなじみのまんげ鏡」。今となってはなぜ、万華鏡がおなじみだったのかわかりません。描かれているテレビもチャンネルボタンを押すタイプの古いテレビなので、おそらく70年くらいかと。今でも変わらないパッケージは今ではレトロで貴重ですね。

こちらは立山アルペンルートで見つけた雷鳥のキーホルダー。70年代テイストの変わらぬデザインが逆に新鮮。

いやげ物とペナントの土産物
「いやげ物」と双璧をなすレトロ土産がペナントです。これもまた、もらうと迷惑するし、家に飾るのは嫌ですが、飾ってあるところは見てみたいお土産です。